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2005-05-20

黒部の地底旅行

 私たちの世代にとって、「クロヨン」といえば、その名は「ケロヨン」とともに脳みそに深く刻み込まれている。
 その黒四(黒部川第四ダム)発電所見学会に、運良く当選したのである。

 そこで19日、ふだんは行くことのできない、欅平(けやきだいら)から黒部湖までの「通り抜けコース」をたどることができた。
 そして、長年の夢だった関西電力黒部ダムの専用軌道(上部軌道)にも、乗ることができたのである。
 下部軌道は、現在「黒部峡谷鉄道」となって一般にも公開されているが、上部軌道は乗るのが困難な存在であった。
 一時、関西電力の大株主になって乗車しようともくろんだが、金がまったくないので断念した私である。

上部軌道のトロッコ

 そのほかにも、インクライン(ケーブルカー)やエレベーターにバス(これは珍しくはないが)など、乗り物好きにはたまらない見学会である。
 しかも、黒四発電所まで見学できるというおまけ付き……いやいや、いけない。こちらがメインであった。
 
 それにしても、コースのほとんどが地下。何も知らないで参加したら、怒り出す人がいるかもしれない。
 もっとも、参加者は平日とあってシニアの方々が多かったが、30人弱のメンバーはみなご満悦の様子。
 よほど普通の旅行には飽き足らなくなった“はぐれ者”なのだろう。私以外は。
 もちろん、場所柄、危険を伴うので、すべて団体行動であるのは言うまでもない。

専用ケーブルカー

 それにしても、あの険しい地形の黒部の地下に、これほどのトンネルや構造物があるとは感激である。
 思わず、プロジェクトXのテーマ曲が頭に浮かんでくるが、そういえば一昨年の紅白歌合戦では、中島みゆきが、ここ黒部の地下からその歌をうたったのだとか。
 地下ばかりのコースで退屈するといけないと思ったのか、関西電力の添乗員の方(たくまざるユーモアのセンスに満ちた総務部の人)は、ケーブルカーの車内で、そのときのビデオを見せてくれた。
 そうそう、コースの中の何か所かでは、地上(というより山腹)に顔を出すのだが、そこからの山々の眺めがまた格別であったことを付け加えておこう。

 黒四発電所の中では、黒部ダム建設のビデオを見せてもらった。もちろん、保守は大変らしい。
「これじゃ、電気代が高くてもしょうがないかなあ」と思いはじめる私。
 おそらく、誰もがそう思ったことだろう。
 関西電力にとって、無理をしてでも見学会をやった効果はあるようだ。もっとも、うちは関西電力じゃなくて東京電力だけどね。

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コメント

アトムズさん、こんばんは
あ、一昨年でしたか。
どうも、紅白はここ何十年と見ていないもんで…… (^^;;
中島みゆきがうたった場所は、上の写真のトロッコが走るトンネルの中でした。
通常は、一般の人が入れない場所です。

放映をしたときの気温は5度だったとか。
「でも、さすがにプロですね。あんなに寒いのに、にこやかな表情で歌えるんですから」と、関電の人は言っていました。

まだまだ、黒部・立山の上のほうは雪がたくさん残っていました。
まあ、ひどく寒いということはありませんでしたが。

駄菓子さん。中島みゆきが歌ったのは一昨年の紅白でした。
みゆきファンの私にはかなり感動ものでした。
昨年、夏、黒部を訪ねたのも、実はその余韻に浸りたかったからでして(^_^;)。
結局、中島みゆきがどこで歌ったのかは解りませんが、この辺りというだけで、感激していました。
(詳細はHPの旅行記で)
ところで今の時期、黒部はどんな季節なんでしょうか?まだまだ寒いのでしょうね。

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  • 『ようこそシベリア鉄道へ』(天夢人)
  • 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』(青春出版社)
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