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2005-05-16

栃木・喜連川の町並み

 先週の金曜日、13日にわけあって栃木県の喜連川(きつれがわ)に行ってきた。
 東北本線に乗り、宇都宮から3つ目の氏家で下車。バスで約20分のところにある町である。
 氏家にも立派な町並みがあったが、喜連川はそれをしのぐ風格のある家が目についた。
 それもそのはずで、ここ喜連川は鎌倉時代から続く城下町として栄え、江戸時代には旧奥州街道の宿場町として、この地方の中心地として栄えたのだという。

喜連川の中心部

 歴史を感じさせる立派な商家がそのまま残っているのも魅力的だが、古い商家を改造していまどきの商売をやっている家もまたいい。

 ところで、この喜連川町は、近ごろ流行りの町村合併で、隣の氏家町と合併したのだそうだ。
 新しい市の名前は、「さくら市」!
 確かに、来る途中の道の両側には、桜並木が延々と続いてはいたが……。
 桜が多い町など、日本全国にあるだろうに。しかも、千葉県には、古くから同じ発音の市がある。
 まあ、2つの町が対等に近い形で合併するのだから、どちらの顔も立てなくてはならず、結局、まったく関係のない名前にせざるをえなかったのだろう。
 どちらの町も「塩谷郡」に属していたから、市の名前にそれを使う手もあっただろうが、ちょっと知名度が低かったのか。

分断された家

 町の中央部にある「お丸山公園」で会ったおばさんとおじさんが、町を展望しながら話していた。
「あの高校も廃校になるんだなあ」
「合併してもいいことないよ」
「ああ、もう合併したんですね」と私が口をはさむ。
「そう、市長の選挙があったんだけどね。氏家が人口3万で喜連川が1万だからね。勝てないよ」
「まあ、準備不足の割には、頑張ったんじゃない」
「そうねえ」
「ふうん」と私。
「あ、あんた、そこに温泉があるから入っていくといいよ。寒いからね。私は足湯だけで帰るけど」とおばさん。

 というわけで、勧められるままに喜連川の温泉に入り、帰り道ではたまたま目に入った地元の味噌屋で、“無添加”に引かれて味噌2キロを買った私であった。 

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