石北本線の秘境・上白滝駅
“秘境駅”と呼ばれる駅がある。列車の本数が少ない駅、周囲に人家のない駅、降りてもどこにも行けない駅などをこう呼ぶらしい。
北海道を走る石北本線には、いくつもの秘境駅がある。上川~遠軽にある上白滝、旧白滝、下白滝、新栄野駅は、1日に上下1本ずつしか停車しないのだ。
29日は、ある用件のついでに、その1つ上白滝駅に立ち寄ってみた。札幌在住の弟の車に便乗して……。
さて、秘境駅というからには、よほどの不便な地域かと思いきや、行ってみると、近くには道路が通っていて、交通量も少なくない。
要するに、地元の人たちは、みんなクルマに乗るようになってしまったのだ。
それにしても、のどかな日よりである。
しかし、1日1本しか停まらないからといって、線路の上に大の字になって、のんびりと寝てはいけない。
この区間には特急や快速も走っているからだ。もちろん、さきほど挙げた駅には停車しない。
あたりを見回すと、桜は満開。タンポポも梅も咲いていた。ここにも、やっと遅い春が訪れたのだろう。
バックには、大雪山の神々しい姿が見えていた。
つい最近までは、上白滝の隣に奥白滝という駅があった。
そこは、周囲に人家もなく、秘境駅としてはなかなかレベルの高いものとされていたが、惜しくも廃止されてしまった。
まあ、秘境駅だからといって、私企業のJR北海道が残すいわれはないのだろう。
いやまてよ。秘境駅だからこそ、客がいなくて廃止されてしまったのか……。
上白滝駅に行く前に、奥白滝駅の跡にも立ち寄ったのだが、やっぱりホームに駅名票がなく、駅舎に時刻表もないのは寂しい。
たとえ1日1本であっても、停車するのとしないのとでは大きく違うものだということを、しみじみと感じたのであった。
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