大津波遭遇記5 -カオラック脱出-
カオラックにもどると、前日(26日)、状況確認にもどった日本人女性ガイドが待っていた。
「プーケットのほうがここより安全なので、とにかく移動します。宿泊はゲストハウスかアパートメントしか空いていませんが、いま探しているところです」
だが、心配なのは、カオラックのホテルに置いたままの荷物やパスポートである。
客が思い思いの場所で機材をまとめていると、そのガイドが個々の事情を伝えにまわってきた。
「○○さん、××ホテルですね。ホテルは流されてしまいました。荷物はあきらめてください」
「△△さん、□□ホテルは壊滅的という情報が入っています。荷物はあきらめてください」
彼女は、妻とM嬢の前に来たところで、やや考えこんだ。
「うーん、いま確認しているから、ちょっと待ってください」
もし、荷物が残っていれば、あとで取りにきてくれるとのことであった。
入港禁止が解除され、一斉にカオラック港に戻る船
前々日、妻とM嬢が泊まったカオラックのホテルには、鉄筋3階建ての建物と、木造のコテージの両方があった。
そのうち、二人が案内された部屋は、鉄筋の建物の3階。これには、少々不満だったという。
「マンションのような建物じゃなくて、コテージがよかったのに……」
だが、そのおかげで、のちに荷物がそのまま戻ってくることになるのだから、世の中わからないものである。

津波で傾いた建物。自動車が飛び込んでいる
結局、カオラックにとどまったのは15分ほど。
着替えもなく、水着の上にTシャツと短パンを着けたまま、文字通り、着の身着のままでカオラックを出ることになった。
港にいたタイ人スタッフは、「Phuket is safer than here」と言って送り出してくれたという。
ダイビングショップでチャーターしたバスが止めてあるというので、重い機材を持ち、足元の悪いなかを歩くこと数分。
用意されていたのは、ニモの絵が描かれた大型バス3台だった。
そこからプーケットまで約2時間。途中の道に、とくに問題はなかったようだ。
だが、カオラックの町外れの公園を通りかかったとき、白いシートに覆われた、おびただしい数の遺体が置かれているのが見えたという。
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アトムズさん、こんばんは
あと一息なのですが、ちょっと仕事が大変なので大団円までたどりつけません……。
文字コードをUTF-8にすること自体は悪くないと思うので、MacのIEのほうに問題があるんでしょうね。
投稿: 駄菓子 | 2005-01-20 05:56
駄菓子さん、こもさん。こんばんは。
Macユーザーは皆同じ事を訴えていますね。
私も御同様で、niftyに質問したのですが、
やはり、MacのIEには対応していないという冷たいお答え。
今、一番、オーソドックスなソフトなのに、なんで対応してないかな。
私は自分のブログのコメントはネスケを起動して書いていますが、
その為だけに使い慣れていないネスケを使うのも、面倒くさいです(^^;)。
これは職場のWinで書いています。
投稿: アトムズ@夜勤中 | 2005-01-18 23:59
こもさん、こんにちは。
いやいや、いくら東京で心配していても、しかたがありま
せんからね (^^;;
文字コードの問題は厄介ですね。
読めるのに、書くときはダメだとは。
投稿: 駄菓子 | 2005-01-13 08:35
こんばんは、駄菓子さん
津波遭遇記、読み進む毎にゾッとしています。広尾でピザなんか食べてる場合じゃなかったんですよ。きっと。それにしても奥様は強運な方ですね。一緒に生活してるだけで生き残れそう、、、
ところで、私はMacOSXを使ってるんですけど、Explolerだとコメント本文の入力が文字化けしちゃいます。きっとココログのテキストエンコーディングがUTF-8のせいだと思うけど。今は別のブラウザから書いてます。解消する方法あるのかなぁ、、、ブラウザの環境設定変えても化けるのでどうしたらいいのか、、、私もブログ検討中ですが、文字コードが引っかかっています。
投稿: こも | 2005-01-12 00:29
マミィさん、はじめまして。
先日は、「プーケット津波情報総合 (スマトラ沖地震)」
(http://blog.goo.ne.jp/with_hope_1226)を見て、
トラックバックさせていただきました。
ピピ島にいらっしゃったんですね。しかも、お子さんも。
マミィさんもご無事で何よりでした。
うちの妻の場合、直接怖い思いをしたわけではないの
で、いまだにピンと来ないようです……いやはや。
投稿: 駄菓子 | 2005-01-11 16:24
初めまして。カオラックで津波に遭われた奥様と
ご友人、無事帰国できて何よりですね。
私はピピ島で津波に遭いましたが、こうして無事帰国し、
その時の様子をブログに綴りながら気持ちの整理を
しているところです。
あまりにも多くの犠牲者を目の当たりにしてきた私たちには
こうして「無事でした!」という記事を見るだけで救われます。
どうか、これ以上犠牲者の数が増えませんように。
投稿: マミィ | 2005-01-11 12:22