大食らいの楽園
とにかくイタリア人は大食いである。
まあ、日本人にくらべれば、欧米人や中国人はみんな大食らいだが、イタリア人はそのなかでも、かなりのものだと思う。
いい年をしたおじいさんやおばあさんが、大きな肉をぺろりと平らげ、平然としてコース料理を食べつくすのである。
そんなテーブルの隣で、デカい図体をしたドイツ人やアメリカ人が、セコンド(メイン)の肉を食べながら、ため息をついていたりするのがおかしい。
私はといえば、日本人としてはたぶんかなりの大食らいであろう。前にもどこかで書いたが、10年ほど前に盛岡でわんこそばを135杯食べたことがある(たぶん、きちんと用意していけば、もっと食えただろう)。そんな私でも、イタリアのレストランでコースの食事を食べるのは厳しいときがある。
今回の旅行では、2人で1キロのビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ(フィレンツェ風のビーフステーキ--Tボーンステーキ)を食べた。
さすがに、この料理(料理といっても塩胡椒で焼いただけだが)だけは、イタリア人でも1人では簡単には食べられないようだ。2人で分けて食べてもいいことに昔からなっていたそうな。
もちろん、パスタは注文せず。肉の前にサラダを食べて腹の準備運動代わりとし、食後にコーヒーを飲んだだけである。
それにしても、肉を待つ間は、なぜかドキドキしてしまった。面接試験の順番を待つような気分。で、実際に食べてみて、意外といってはなんだが、なんとか食べることができた。骨の分を差し引いたとしても、私一人で600グラムは食べたであろう。
以前は、レストランのメニューで、ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナだけが100グラム単位の値段が書かれていた。しかも、100グラムは、イタリア語で「1 etto」と書かれているだけ。
そのために、イタリア語のメニューが読めない人は、「メインではこれが安そうだ!」と勘違いして、さまざまな悲劇を生むもととなったと聞いている。
上の写真は、1キロのステーキを、店の人が切り分けてくれているところ。後ろで見ている観光客らしきおばさんの不安そうな顔が印象的である。
下の写真は、カラーブリア州ディアマンテで、隣のイタリア人家族が注文したピッツァ。
さすがのイタリア人でも、この大きさには驚いていたようだった。
それをわざわざ写真に撮ろうとする私たちも私たちであるが……。
まあ、そのおかげで話がはずんだのはよかった。
いまはローマに住んでいて、お父さんの生まれ故郷に遊びにきたんだそうだ。息子の嫁さんが、それとなく義理の両親を立てている様子が微笑ましかった。
そういえば、あとで、ピッツァを2切れほど分けてくれたっけ。
ああ、思い出しただけで、腹がいっぱいになってきた。
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そうそう、イタリア人はホントに大食い揃い。
前回、バーリに行ったとき、昼間に地元の安いターボラ・カルダで、隣の席の70近いおじいさんが、前菜を食べたうえに、プリーモを2皿。
それで終わりかと思ったら、ちゃんとセコンドも取っていましたっけ!
オリーブオイル+パン=食べたい……。
投稿: 駄菓子 | 2004-11-23 13:47
こんにちは。
ホント、こっちの人って食べますよね~。
ほっそりとした、しかも70才くらいの
おじさまでも、プリモ・セコンドと
ためらうことなく食している姿を見ると
尊敬してしまいます!
私もようやくこのごろ、ピザを残さず食べられる
ようになりました。耳は残してしまうけど・・・。
今日は今年の新しいオリーブを買ってきて
トスカーナパンに浸して食べました。
若い苦みが鼻の奥に抜けて、美味しかったですよ~。
投稿: leo | 2004-11-21 22:26