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著書

  • 『ひたすら眺めていたシベリア鉄道』(私家版)
  • 『日本懐かし駅舎大全』(辰巳出版)
  • 『鉄道黄金時代 1970s──ディスカバージャパン・メモリーズ』(日経BP社)
  • 『国鉄風景の30年―写真で比べる昭和と今』(技報堂出版)
  • 『全国フシギ乗り物ツアー』(山海堂)

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2004-10-07

ジローラモによろしく

 イタリア南部方面行きの長距離バスが発着するのは、ローマ・ティブルティーナ駅そばのバスターミナルである。
 ローマの国鉄の駅といえば、テルミニ駅が有名だ。あとは観光客が利用するとすれば、せいぜいローマ・オスティエンセ駅かローマ・トラステーベレ駅。ティブルティーナ駅の利用は私も初めてで、しかも出発は夜の11時半というので、ちょっぴり不安であった。

 アッシージからの列車が到着したのは8時過ぎ。市バスの運転手に聞いて、なんとか長距離バスターミナルを探し当てて切符を購入したが、荷物預かり所もバールもない。
 しかたなく、2人で大きな荷物を持ってうろうろする。ほかには、東洋人の観光客どころか、アメリカ人もドイツ人もいそうにない。それでも、腹の減りようには抗えず、懸命な探索の上にようやく見つけたのが、駅の斜向かいにある「ピッツァ・ナポリ」という看板を出した小さな軽食屋であった。
 いわゆるターボラ・カルダという、出来合いのパスタや前菜を食べさせる店なので、味は期待していなかったが、意外とうまい。ワインが進むにつれて、50歳前後の店主との会話も弾んできた。
「ピッツァ・ナポリ」の店主夫妻


「どうだい、うまいだろ。オレが生まれたのは、ナポリの郊外にあるパコーリの近くのモンテ・プローチダというところなんだ。いやいや、プローチダ島じゃなくて、山のほう。そこからは、ナポリ湾が一望できるのさ。こんどナポリに行ったら、ぜひ寄ってよ」
「何? 日本で一番有名なイタリア人はジローラモっていうナポレターノだって? うん、その名前をつけるのならば、○○か××か△△の町の出身だなあ」
 10時を過ぎると、彼とその奥さんらしい2人が、客席に入って食事をするのだが、常連らしい客がひっきりなしにやってくる。図々しくも、そんな人たちと写真をとって、盛り上がる私たちであった。
「閉店は12時なんだ。それ以上やっていても、変なやつばっかりやってくるしね。警察の厄介になるのもいやだから」

 お互いにワインが入って他愛ない話を重ねているうちに、11時になった。私たちは勘定を払って店を出た。
「オレはずっとここで店をやっているから、日本に帰ったらハガキをくれよな。これが名刺だ。そうそう、店の外からも写真を撮ってくれよ。ジローラモにもよろしくな。ローマに来たらこの店に寄ってくれって伝えてよ、ハッハッハ……」
 「『よろしく』って言われてもねえ……」などと私と連れ合いは話しながら、狭苦しい夜行バスに乗り込んだのであった。

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